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2024.01.23コラム

NASMとは?おもな認定資格や取得方法などを紹介!OPTモデルの詳細も解説

トレーナーや理学療法士など、人間の身体に携わる職業に就いている方、また就きたいと考えている方の中には、NASM認定資格の取得を検討している方も多いのではないでしょうか。

NASMは世界的にも人気がある、アメリカに拠点を置くパーソナルトレーナーの教育団体です。

この記事では、NASMの基礎知識や認定資格の種類、NASMのメソッド(OPTモデル)、資格の取得方法などを詳しく解説します。NASM認定資格を活かせる職業もご紹介するので、より幅広い活躍をしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

NASMとはアメリカが拠点のパーソナルトレーナー教育団体

NASM(National Academy of Sports Medicine)とは、日本語で「全米スポーツ医学アカデミー」を指します。1987年に設立された、アメリカのアリゾナ州に拠点を置くパーソナルトレーナーの教育団体です。NASMのメソッド(OPTモデル)は、理学療法士のマイク・クラーク博士により開発されました。

世界中のフィットネス専門家やトレーナー、医療従事者が、活動の幅を広げるためにNASM認定資格を取得しています。現在では世界95ヶ国でNASMのカリキュラムが提供されており、100ヶ国以上でNASMトレーナーが活躍しています。

 

 

OPTモデルにおける5つのトレーニングフェーズ

NASMでは、独自の「NASM OPT(Optimum Performance Training)モデル」について学ぶことができます。

OPTモデルは、科学的・スポーツ医科学に基づいて開発されたトレーニングモデルです。パフォーマンス向上のために重要となる、柔軟性・敏捷性(びんしょうせい)・コア(体幹)の安定性・パワー・スピードなどの各種要素を網羅した内容となっています。

以下は、マイク・クラーク博士が開発したトレーニングメソッドのOPTモデルを構成する5つのフェーズです。

 

  1.  Stabilization & Endurance
  2.  Strength Endurance
  3.  Muscular Development/Hypertrophy
  4.  Maximal Strength
  5.  Power

 

各フェーズに関して詳しく説明します。

 

①Stabilization & Endurance

Stabilization & Enduranceは、エクササイズの強度や重量を減らして、筋持久力を促進する段階です。1セットあたり12~20回の反復動作をゆっくりと実施し、正しいフォームとテクニックを習得しましょう。

このフェーズにおいて正しい動きを身につけることで、関節や姿勢のコントロールが強化され、軽い重量でも筋力アップを実現できます。

 

②Strength Endurance

Strength Enduranceは、高いトレーニング強度と重量に慣れる段階です。筋力エクササイズ(たとえば、ベンチプレス)に続いて、スタビリティ・ボール・プッシュアップ(バランスボールを使用した腕立て伏せ)などを実施しましょう。

なお、セット数を2~4程度に設定し、反復回数を増やしてください(1セットあたり8~12回程度、トータルで16~24回程度の反復)。また、休息時間も短縮しましょう。消費カロリーが増加し、筋力と持久力の向上につながります。

 

③Muscular Development/Hypertrophy

Muscular Development/Hypertrophyは、筋力増強と筋発達(筋肥大)を目的とする段階です。

中強度から高強度のエクササイズを実施し、セット間の休息時間を最小限にすることで筋肉の成長を促します。このフェーズでは、エクササイズを1セットあたり6~12回程度反復し、3~6セット実施してください。

 

④Maximal Strength

Maximal Strengthは、最大(または、最大に近い負荷)を持ち上げる段階です。筋肉に対して、高い強度(負荷)で徐々にオーバーロードします。

なお、非常に重い物体を持ち上げるため、エクササイズセット間の休息時間を長く確保しましょう。

 

⑤Power

Powerは、パワー向上を目的とし、高強度・高速のエクササイズを実施する段階です。最初に、最大(または、最大に近い)負荷に挑戦します。次に、比較的小さい負荷をかけ、可能な限り速く(爆発的に)動かすことに挑戦してください。

最大級のリフトで可能な限り多くの筋繊維を活性化し、直後に爆発的なエクササイズを実施することで、筋繊維の収縮の速さと効率性を向上できます。

 

 

NASM認定資格の種類

NASMのおもな認定資格は以下のとおりです。

 

  • NASM-CPT
  • NASM-GPTS
  • NASM-CES
  • NASM-GFS
  • NASM-PES

 

ここからは、それぞれの資格について詳しく解説します。

 

NASM-CPT

NASM-CPTは、NASMのベースとなるライセンスです。NASM認定資格の取得を考えている方は、まずはNASM-CPTを取得してから、他のご自身に必要なライセンスを取得すると良いでしょう。

NASM-CPT では、NASMのメソッドであるOPTモデルをはじめとした、NASMの考え方や各専門分野に特化した内容を学べます。

NASM-CPTについて学べば、トレーニングする方の年齢や体力など、その方に合ったトレーニングを提供できるようになるでしょう。

 

NASM-GPTS

NASM-GPTSでは、グループトレーニングとパーソナルトレーニングについて学び、短期間で効果が得られるトレーニングプランの作成スキルを身につけます。

また、トレーニング参加者との良好なコミュニケーションを取れる能力や、参加者のモチベーションを上げるコーチングスキルも磨けるでしょう。

トレーナーの戦略的ビジネスプランについて学べるのも大きなポイントです。パーソナルトレーナーとしてだけでなく、複数の参加者を指導したいと考えている方、将来独立したいと考えている方におすすめの資格です。

 

NASM-CES

NASM-CESでは、解剖学・運動学・バイオメカニクスといった人間の体についての知識を深められます。

クライアントに対して、怪我のリスクを低減させたり、身体を動かす機能全体の質を向上させたりする能力が身につきます。

また、身体の機能改善のためのエクササイズである「コレクティブ・エクササイズ」を学べるのもポイントです。クライアントの身体の柔軟性・筋肉の活性化・関節の安定性・筋肉の不均衡を改善へと導けるようになります。

NASM-CESは、パーソナルトレーナーだけでなく、理学療法士やフィットネスコーチなどが多く取得している資格です。

 

NASM-GFS

NASM-GFSでは、ゴルファーのコンディション作りについて学べます。ゴルフは旋回をともなう動作が必須で、筋力や柔軟性が必要となるスポーツです。一般のプレイヤーが多く、人気のスポーツですが、ケガをする方も少なくありません。

NASM-GFSでは、ゴルフをするのに最適な柔軟性・体幹・バランス・レジスタンス・心拍系を得るトレーニングや、プログラムデザインを学べます。

資格を取得すれば、プロゴルファーだけでなく、さまざまな年齢のアマチュアゴルファーのパフォーマンスを向上させられるようになるでしょう。

 

NASM-PES

NASM-PESは、パフォーマンス向上のスペシャリストになるための資格です。筋肉の連動をはじめとした動作のしくみや機能を理解することで、運動をおこなう際のケガのリスクを軽減します。

また、NASM-PESで得られる知識は、日常生活の動きを楽にするための指導を可能にします。一人ひとりの事情に合った適切なメニューを組み立てられるようになるので、クライアントの持つ悩みを解決しやすくなるでしょう。

NASM-PESは、パーソナルトレーナーや理学療法士、鍼灸師、柔道整復師などが取得する場合が多いです。

 

 

NASM認定資格の難易度

NASM認定資格の合格率は非公表ですが、難易度はそれほど高くないといわれています。試験とオンライン学習がセットとなっているため、しっかり学習できていれば、合格は難しくないでしょう。

ただしNASMを受けるには、それぞれの資格の受験資格を満たす必要があります。以下は、それぞれの認定資格の合格点数と受験資格をまとめた表です。

 

資格名 合格基準 受験資格
NASM-CPT 100問中70点以上
  • CPR(心肺蘇生法)のライセンス取得者
  • 18歳以上
  • 高校卒業以上
NASM-CES 100問中70点以上
  • 誰でも受験可能であるが、以下に示すいずれかの資格保有者・学位保有者に対して受験が推奨されている
  • NASM-CPT取得者
  • 4年制大学学位
  • 米国NCCA、NBFE、DETCにより認定された団体の資格保有者
NASM-GFS 50問中35点以上
  • • 誰でも受験可能であるが、NASM-CPT取得者に対して受験が推奨されている
NASM-GPTS 100問中70点以上
  • • 誰でも受験可能であるが、NASM-CPT取得者に対して受験が推奨されている
NASM-PES 100問中70点以上
  • 4年制大学(学部問わず)、日本のスポーツトレーナー系・医療系専門学校の既卒者、およびその卒業見込み者
  • アメリカの体育系団体、NCAA・NBFE・DETCが認定する団体の資格保有者
  • R-Conditioning Coach認定者

 

それぞれの資格には受験資格があります。必須ではない場合もありますが、申込む際にはご自身が該当しているかをチェックしましょう。

 

 

NASM認定資格を取得するまでの流れ

NASM認定資格を取得するまでの流れは以下になります。

 

資格名 資格取得までの流れ
NASM-CPT
  1. セルフスタディを購入する
  2. セルフスタディ教材で学習をおこなう
  3. 受験予約をする
  4. テスト会場にて試験を受ける
  5. テスト終了後、画面に合否が表示される
  6. 試験のスコアレポート(試験終了書など)を受け取る
  7. 後日合格者には認定証が発行される
NASM-CES
NASM-GFS
NASM-GPTS
NASM-PES
  1. NASM-PES Online資格取得コースを申込む
  2. オンライン学習をおこなう
  3. オンラインで試験を受ける
  4. 試験後その場で合否がわかる
  5. オンライン上で認定証の取得が可能(ダウンロード可能)

 

オンライン学習を受け、受験するまでの期間は1年間です。NASM-CPT・NASM-CES・NASM-GFS・NASM-GPTSが不合格だった場合には、料金を支払えば再試験を受けられます。

NASM-PESは、再試験料なしで3回まで受験が可能です。3回を超えた場合には、料金を支払えば再度3回試験が受けられます。

 

 

NASM認定資格の受講料・更新料

NASM認定資格の受講料は以下のとおりです(いずれも税込み表記)。

 

資格名 教材・試験 更新料 再試験
NASM-CPT 63,800円(会員:57,420円) 13,200円(2年ごと) 5,500円
NASM-CES 63,800円(会員:57,420円) なし 5,500円
NASM-GFS 22,000円(会員:19,800円) なし 5,500円
NASM-GPTS 41,800円(会員:37,620円) なし 5,500円
NASM-PES 132,000円(学生:92,400円)
(R-BodyACADEMY受講者割引:92,400円)
なし 3回不合格の場合には、99ドルで1年間の期間延長、3回受験が可能となる

 

NASM-CPTは、2年ごとの更新が必要となりますが、それ以外の資格には有効期限がなく、更新は必要ありません。

 

 

NASM認定資格を取得するおもなメリット

NASM認定資格を取得するメリットは、クライアントがプロでも一般の方でも幅広く指導できる能力が身につくことです。

クライアントの運動不足や加齢による身体能力の低下、姿勢の悪さなどを矯正しつつ、安全なトレーニングの指導ができるようになるでしょう。

また、資格を持っていることで、クライアントから正しい知識を有していると認識され、信頼される可能性が高くなります。就職先へのアピール材料にもなるので、キャリア形成にも有利といえるでしょう。

 

 

NASM認定資格取得後に活かせる4つの職業

NASM認定資格取得後に活かせる職業には、以下のようなものがあります。

 

  • パーソナルトレーナー
  • 理学療法士
  • 鍼灸師
  • 柔道整復師

 

それぞれの職業について詳しく解説します。

 

パーソナルトレーナー

パーソナルトレーナーは、クライアントに対しマンツーマンで指導をおこなうスポーツトレーナーです。クライアントの掲げる目標を達成するために、トレーニングだけでなく食事指導、ライフスタイルの提案もおこないます。

クライアントはプロスポーツ選手から一般の方まで幅広く、勤務場所はパーソナルジム・フィットネスクラブ・レンタルジム・接骨院・自宅・クライアントの自宅とさまざまです。

NASMを取得すれば、正しい知識のもとでクライアントへの指導ができます。また、クライアントのパフォーマンス向上を導けるようにもなるでしょう。

 

理学療法士

理学療法士とは、リハビリテーションの専門職です。ケガや病気で身体に障害がある方や、これから障害が現れそうな方に向け、立つ・歩く・座るなど生活に必要な基本的な動作能力の回復・維持をするための支援をおこないます。

理学療法士になるには、国家資格である理学療法士免許を取得する必要があります。病院やクリニック、介護保険関連施設で働く場合が多いですが、NASMを取得すればより深く身体に関する知識を得られ、適切な支援ができるようになるでしょう。

 

鍼灸師

鍼灸師とは、鍼や灸を使い、病気の予防や健康回復を目的に治療をおこなう職業です。鍼灸師になるには、はり師ときゅう師、それぞれの国家資格を取得する必要があります。

鍼は、ツボや皮膚、筋肉に鍼で刺激を与え、痛みを緩和したり、コリを改善したりします。また、灸は、よもぎを乾燥させた艾(もぐさ)を使い、ツボや冷えている箇所に温熱刺激を与えて体の不調を回復へと促す治療法です。

鍼灸師は、鍼灸院やスポーツ施設、医療・介護・福祉施設などで活躍しています。NASMの資格を取得すれば、クライアントの生活に寄り添ったより良いアドバイスができるようになるでしょう。

 

柔道整復師

柔道整復師とは、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などの治療をおこなう専門家で、投薬や手術などの方法ではなく、患者の身体の状態を把握して手技により正常な状態に戻します。

そのほかの柔道整復師がおこなう治療は、ギプスやテーピングを使った固定、マッサージや手技療法・運動療法・温熱などを使ったリハビリテーションなどです。

柔道整復師になるには、国家資格を取得する必要があります。医療施設や介護施設、スポーツ施設やスポーツジムのトレーナーとして活躍する場合が多いです。

NASMの資格を取得すれば、患者により良い身体の動かし方を指導できるようになるので、スポーツ現場でも活躍しやすくなるでしょう。

 

まとめ

NASMとは、アメリカに拠点を置くパーソナルトレーナーの教育団体です。NASMでは、マイク・クラーク博士によって開発されたトレーニングメソッド・OPTモデルが学べます。

認定資格には、NASMのベースとなるNASM-CPTをはじめとした、さまざまな資格が用意されています。

資格を取得するなら、まずはNASM-CPTを取得し、そのあとにご自身の専門分野に合った資格を取得すると良いでしょう。

NASM認定資格の取得には、オンライン学習を受講してから、試験を受ける必要があります。

NASM認定資格は、パーソナルトレーナーや理学療法士、鍼灸師、柔道整復師などスポーツや医療に関係する職業で活かせるでしょう。キャリアアップや幅広い活動を目指している方は、NASM認定資格の取得をおすすめします。

 

 

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