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2024.01.19コラム

ジム経営が儲かる理由とは?年収やかかる費用、失敗しないためのポイントを解説

街中やメディアでジムを目にする機会が増え、ジム経営に興味をお持ちの方が増えています。実際、健康志向の高まりから今後も需要が増えると予測されており、ジムは今もっとも注目されている事業のひとつとされています。

しかし、ジム経営はニッチな分野であるため、開業に必要なものや見込める年収、運営にかかるコストなど、ほかの事業よりもわかりにくい印象があるかもしれません。

この記事では、ジム経営で目安となる年収や始めるメリット、失敗しないために押さえておくべきポイントなどをわかりやすく解説します。

 

ジム経営の市場動向

近年、ジム経営の市場は拡大傾向が続いています。コロナ禍によって一時的な現象がみられましたが、現在は回復傾向にあり、20年を通して緩やかな増加が続いている状況です。

売上げや会員数などを非公開とする企業も多いため、はっきりしないものの、全体の市場規模は約5,000億円と推測されています。

そもそもジムは、ダンスやテニスの普及などにより1970年代から80年代に大きく成長した市場です。1980年代後半には、年間200店舗を超えるジムが開業する出店ラッシュも見られました。

ところがバブル崩壊後に市場は失速し、1997年から98年にかけては約2,850億円まで落ち込むなど、市場規模は縮小しました。その後は日本経済が回復するにしたがって、余暇としてスポーツや運動を楽しむ人口が増え始め、現在も健康ブームの高まりに比例して市場は盛り上がりを見せています。

近年は、フィットネスクラブ、ピラティススタジオ、パーソナルジムなど、多様なジムが数多く登場しています。専門性、低価格、利便性などさまざまなメリットを持つジムの普及が潜在的な需要の掘り起こしにつながり、市場の成長は更に続くと期待されます。

 

ジム経営は儲かる?儲からない?年収の目安をチェック

ジム経営は経営が軌道に乗れば、年収1,000万円超も見込める仕事です。顧客から支払われる会費がおもな収入のため、会員数が安定するほど高額の年収を達成できます。

たとえば、1回あたり1万円のパーソナルトレーニングを提供するジムに、平均週1回(月4回)通う顧客がいれば、顧客ひとりから年間48万円の収入を得られます。

顧客が10人なら480万円、20人なら960万円、同じ規模で2店舗経営すれば1,920万円と、顧客が増えるほど収入がアップします。

ただし、ジムの運営には経費がかかるため、実際の年収は収入から経費を差し引いた金額になります。

ジムにかかる必要経費には、マシンなどの設備や外内装にかかる工事費、家賃や広告宣伝費、人件費などがあります。ジムの規模によって必要経費に開きが出るため、集客力がなければ経営難になる可能性もあり、注意が必要です。

 

ジム経営を始めるメリット

ジム経営はシンプルな会員制ビジネスです。また、特別な資格が必要な事業ではないため、資金さえあれば誰にとってもはじめやすいのが魅力です。

更に、始めるメリットはほかにも以下のようなものがあります。

 

  • 今後も市場規模の拡大が期待される
  • 安定した経営を実現しやすい
  • 利益率が高い

 

順番に解説します。

 

今後も市場規模の拡大が期待される

ジム市場の拡大の勢いは2019年の消費税の増税を経ても衰えず、いったんはコロナ禍の影響を受けて市場が縮小したものの2021年以降は回復傾向にあります。

現在のジムは若年層の男性と高齢層の女性の利用率が高めで、全体の6割強がジムを利用した経験がないとされています。これら6割強の方のなかには、ジムの利用を検討している、運動の必要性を感じているなどの潜在需要が含まれており、大きなビジネスチャンスにもつながるでしょう。

ジムの多様化や国による適度な運動推進など、市場が成長する機運も高まっていることからも、今後さらなる規模の拡大が期待されます。

 

安定した経営を実現しやすい

ジム経営は「集客=収入」と収益システムが明快です。顧客からの会費や利用料が収入のほとんどを占めるため、集客に成功すれば安定した経営を実現できます。

たとえば、小売店などのように顧客への商品提供でようやく利益が生まれるビジネスとは異なり、経営予測も立てやすいでしょう。また、商品在庫を抱えるリスクもありません。

ただし、集客の伴わない広告宣伝にお金を使い過ぎるなど、せっかくの利益を大きく下げないように注意して運営する必要があります。

 

利益率が高い

利益率の高さもジム経営を始めるメリットのひとつです。

フィットネスクラブの平均値から見ると、売上げのうち純粋な利益だけを考える粗利率は約50%と高く、粗利から必要経費を差し引いた営業利益率は7%弱です。非製造業の営業利益率は平均4~5%前後であることを考えれば、経費を差し引いてもなお利益率は高いといえるでしょう。

ジムの会費には制約がなく自由に設定できるので、利益率のコントロールも可能です。

 

ジム経営にかかる費用

ジム経営では、必要経費をいかにおさえるかで、利益が変わる可能性もあります。そこでジム経営にかかる経費を、イニシャルコスト(開業資金)とランニングコスト(運営費用)に分けて、詳しく確認しておきましょう。

 

必要経費 おもな内訳
イニシャルコスト(開業資金) 物件の賃貸契約・内外装の工事費・マシンの購入費・研修費・広告宣伝費など
ランニングコスト(運営費用) 物件の賃貸料・トレーナーなどにかかる人件費や研修費・電気代・マシンのメンテナンス費・清掃費など

 

イニシャルコストにまずあげられるのが物件にかかる費用です。立地は集客に関わる重要な要素であるため、慎重な検討が必要です。また、立地や会費のほか、顧客はマシンの充実度をみてジムを選ぶこともあるため、マシンの導入にも予算を割くことになるでしょう。

ジム経営のランニングコストは、ほとんどがトレーナーなどの人件費で、突発的な経費の発生は少ない傾向にあります。ただし、マシンのメンテナンスに一定のコストがかかるため、資金の備えは必要です。

 

ジム経営に資格は必要?

ジム経営にあたって特別な資格は必要ありません。開業届などの必要な届け出、消防法や公衆浴場法など施設に応じた法律上の要件をクリアすれば、資格がなくてもジムを開業できます。

ただし、顧客やスタッフから信頼を得るためにも、トレーニングや栄養指導などジムに関係する知識やスキルを身につけておくと良いでしょう。

トレーナーにおすすめの資格には、NSCA-CPT(全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)や、健康運動指導士などの民間資格、理学療法士や栄養士などの国家資格があります。

 

ジム経営で失敗しないためのポイント

ジム経営を成功に導くために、押さえておきたいポイントを3つ紹介します。

 

 

  • ターゲットを明確にしてジムの方向性を決める
  • トレーナーやスタッフの質を高める
  • 独自のサービスで付加価値をつける

 

順番に解説します。

 

ターゲットを明確にしてジムの方向性を決める

かつては大規模なフィットネスクラブが主流だったジム市場ですが、近年はパーソナルトレーニングジムや女性専用ジム、ピラティス・ホットヨガなど専門性に特化したジム、24時間営業のセルフサービスジムなど、さまざまなタイプが存在します。

それぞれのタイプごとにターゲット層が異なるので、まずはジムの立地やスペース、予算などからターゲット層を明確にしたあとで、ジムの方向性を決めましょう。

 

トレーナーやスタッフの質を高める

顧客の支払う会費・利用料が収入の多くを占めるジム経営では、顧客との関係がなにより重要です。そのため、日頃ジムで顧客と接するトレーナーやスタッフの質を高めるように努力しましょう。

トレーナーやスタッフの質は、顧客とのコミュニケーション能力だけではなく、適切なトレーニングスキルや生理学や解剖学、栄養学などの専門知識、後進への指導力を有しているかなども含まれます。質の高いトレーナーやスタッフを育てることで顧客離れを防ぎ、安定した収益が期待できるようになります。

 

独自のサービスで付加価値をつける

ジム市場が活況している今は新規参入の絶好のタイミングですが、ほかのジムと差別化する工夫が必要です。わかりやすく差別化する方法としておすすめなのが、独自のサービスによる付加価値の追加です。

たとえば、「最新のマシンを導入する」「専門的な相談に乗る」「栄養士や高度な資格を持つトレーナーを備える」「オンライントレーニングに対応する」など、顧客が喜んで受けたいと思えるサービスを提供しましょう。

充実したサービスの提供は顧客をつなぎとめる要因になるほか、顧客の単価アップにもつながります。

 

まとめ

ジム経営では、顧客の確保が軌道に乗れば安定して高額の報酬を実現できます。

商品在庫を抱えるリスクがなく、ジムの会員となる顧客の確保ができれば、会費や利用料などから確実に収入をアップさせることが可能です。また、健康志向の高まりから市場の規模は拡大傾向にあり、新規参入に適した状況が続いていることもポイントです。

事業を始めるなら確実に成功させたいとお考えなら、基本的な知識から最新の動向まで、ジム経営を体系的に学ぶのがおすすめです。

 

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この記事の監修者 Supervisor

やくい社会保険労務士事務所 代表 藥井 遥

社会保険労務士として起業・開業時からの労務管理体制や賃金体系の構築、助成金を活用した資金調達の提案を得意とし、数多くのスタートアップ企業のサポートを行ってきました。企業の成長期から安定期にかけた顧客ニーズの変化にも対応し、労務・給与のアウトソーシングのほか、労使トラブルの予防や対応、職場内ルール整備やデジタルツールを活用した業務効率化など支援の幅は多岐にわたります。
保有資格:社会保険労務士・キャリアコンサルタント・産業カウンセラー

https://www.yakui-sr.com/

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