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2024.04.23コラム

マッサージの仕事に必要な資格とは?種類と取得するメリット・取得方法を紹介

人の身体に関わる仕事をしたい方のなかには、マッサージに興味のある方も多いでしょう。マッサージは身近な存在なだけに、学べば簡単に職業にできると考えている方もいるのではないでしょうか。

しかし、マッサージは思うよりも難しく、専門的な知識・技術がないと顧客にケガをさせたり、状態を悪化させたりする可能性があります。無資格者からマッサージを受け、健康被害を被った例も数多くあります。

マッサージを仕事とするなら、国家資格の取得が必要です。マッサージ師を目指すにあたり、マッサージとリラクゼーションとの区別についても理解する必要があるでしょう。

この記事では、マッサージやリラクゼーション関係の資格の種類、取得のメリット、取得方法を紹介しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。

 

マッサージの仕事には資格が必要?

マッサージは医療行為であり、患者に対して施術をおこなうには資格が必要です。患者に対してマッサージができるのは、「医師」「あん摩マッサージ指圧師」「医師の許可を得た理学療法士」のみです。いずれの職業も国家資格を取得する必要があります。

厚生労働省の「あん摩師等の施行にかかる疑義について」の回答では、あん摩について以下のように記載されています。

“法第一条に規定するあん摩とは、人体についての病的状態の除去又は疲労の回復という生理的効果の実現を目的としておこなわれ、かつ、その効果を狙って、もむ、おす、たたく、摩擦するなどの行為の総称である。”

引用:厚生労働省「東京都知事あて厚生省医務局長回答」

無資格者があん摩やあん摩に類似した行為をおこなった場合には、処罰の対象となります。しかし、「マッサージ関係の資格には、あん摩マッサージ指圧師以外の民間の資格もあるのでは」と、疑問に感じる方もいるでしょう。

民間の資格はマッサージの資格ではなく、「筋肉の緊張を和らげる」「リラックス・癒やしを与える」といったリラクゼーションを目的とした施術の資格です。

 

マッサージ・リラクゼーション関係の資格一覧

マッサージ・リラクゼーション関係の資格には、以下のような種類があります。

資格 マッサージ可・不可 できること 資格の種類
あん摩マッサージ指圧師 医療行為としてのマッサージ 国家資格
医師 医療行為としてのマッサージ 国家資格
理学療法士
(医師の許可が必要)
医療行為としてのマッサージ 国家資格
柔道整復師 不可 手技やテーピングにより施術をおこなう(治療に関係のある手技ならおこなっても良い) 国家資格
鍼灸師 不可 鍼や灸を用いて施術をおこなう(マッサージはできない) 国家資格
カイロプラティック 不可
(リラクゼーションのみ)
背骨や骨盤の歪みを手技で矯正する 民間資格
リフレクソロジー 不可
(リラクゼーションのみ)
指で足の裏・手・耳を刺激し、健康維持や疲労回復をサポートする 民間資格
アロマセラピスト 不可
(リラクゼーションのみ)
精油の香りを楽しんだり、肌に塗ったりして心と体の不調を改善に導く 民間資格

 

ここからは、医師・理学療法士以外の資格を詳しく解説していきます。

 

あん摩マッサージ指圧師

あん摩マッサージ指圧師は、器具を使わず「身体をなでる」「押す」「揉む」といった手技を用いてコリや痛みの治療をする、マッサージの専門家です。

医療行為としてマッサージをおこなえる資格は、医師と医師の許可を得た理学療法士、あん摩マッサージ指圧師のみです。医師があん摩マッサージ施術に同意していれば、健康保険の対象にもなります。

あん摩マッサージ指圧師になるには、養成課程のある専門学校・大学で3年以上勉強しなければなりません。国家試験を受け、合格すると資格を取得できます。

 

柔道整復師

柔道整復師は、骨折・脱臼・打撲・捻挫などのケガに対し、手技・包帯・テーピングなどを使って治療をおこないます。医師の同意があれば、施術が健康保険の対象となります。

柔道整復師は、あん摩マッサージ指圧師のようにマッサージを中心とした施術はおこないません。しかし、治療の一貫としての手技療法はおこないます。

柔道整復師になるには、柔道整復師養成課程のある専門学校・柔道整復学科がある大学で受験資格を取得しなければなりません。

国家試験を受け合格したら、柔道整復師の資格を取得できます。柔道整復師の資格を持っていれば、接骨院や整骨院の開業が可能です。

 

鍼灸師

鍼灸師は、鍼(はり)・灸(きゅう)を使い、病気の改善・予防、健康回復を促します。鍼・灸とは、ツボや皮膚への刺激により身体の自然治癒能力を高める東洋医学の治療法です。

鍼灸師になるには、鍼灸専門学校・鍼灸学科がある大学を卒業し、国家試験を受験・合格する必要があります。

鍼灸師はマッサージによる治療をおこなえませんが、なかには鍼灸師資格・あん摩マッサージ指圧師資格の両方を取得して幅広い施術をおこなっている方もいます。双方の資格を取得するなら、あん摩マッサージ指圧師と鍼灸師の資格を同時期に取得できる専門学校を選びましょう。

 

カイロプラクター

カイロプラクターは、手技を用いて関節・筋肉のバランスを調整し自然治癒力を高めるとされる「カイロプラティック」の施術をおこないます。

カイロプラティックの施術は健康保険の対象にはならず、マッサージではなくリラクゼーションの部類に入ります。カイロプラクターになるための法律的な資格はありません。

カイロプラクターとして活躍するための資格は、「整体ボディケアセラピスト」「ゆがみ矯正インストラクター」などです。あん摩マッサージ指圧師の資格をもち、カイロプラクターとして活躍している方もいます。

また、日本においてカイロプラクティックの国家資格はありませんが、アメリカではドクターオブカイロプラクティック(D.C.)という国家資格があります。D.C.を取得した方が日本で開業していることもあります。

 

リフレクソロジスト

リフレクソロジストとは、足にある特定の部位を刺激し、疲労回復・身体の不調を改善を促すとされるリフレクソロジーという施術をおこなう専門家です。リフレクソロジーの施術は、健康保険の対象にはなりません。マッサージではなくリラクゼーションの部類に属します。

リフレクソロジストになるために定められた資格はありませんが、「リフレクソロジスト資格」「リフレクソロジーjp資格」「リフレクソロジースペシャリスト資格」などの民間資格があります。

 

アロマセラピスト

アロマセラピストは、アロマオイルのアドバイスやアロマオイルのブレンド、トリートメントなどをおこないます。

アロマセラピストは精油の持つ特徴と人体への影響を理解しており、顧客にリラクゼーションを与えます。アロマセラピーは、エステティックサロン・ホテルなどでよく取り入れられています。

アロマセラピストになるために、特別な資格は必要ありませんが、顧客により良いサービスを提供するためには、資格の取得を目指すのが好ましいでしょう。

アロマセラピストの資格には、「公益社団法人日本アロマ環境協会 アロマ検定・アロマセラピーアドバイザー」「日本アロマコーディネーター協会 アロマコーディネーター・インストラクター」などがあります。

 

マッサージの国家資格を取得するメリット

 

マッサージの国家資格を取得するメリットは以下になります。

  • マッサージの専門的な知識・技術が習得できる
  • 開業の権利が得られる
  • 顧客から信頼される

以下では、それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。

 

マッサージの専門的な知識・技術が習得できる

マッサージの国家資格を取得するメリットは、マッサージについての正しい専門的な知識・技術が習得できることです。

人の身体に触り、マッサージをするのは大変難しいことです。医師免許・あん摩マッサージ指圧師の資格を持っていない人がマッサージはおこなえないのは、施術に仕方によっては重大な事故につながりかねないからです。

安全で効果的、法律に沿った施術をするなら、確実な知識・技術を学び、国家資格を取得してマッサージをおこなうべきでしょう。

 

開業の権利が得られる

国家資格を取得すると、ご自身で店を開業できます。マッサージ関係の国家資格により開業できる施設は以下になります。

 

資格 開業できる施設
あん摩マッサージ指圧師 マッサージ店(マッサージ治療院)
鍼灸師 鍼灸院
柔道整復師 整骨院・接骨院

 

開業することで、治療院経営ができることに加えて、訪問マッサージの事業展開なども並行して行えます。また、デイサービスでの機能訓練指導員としての役割も担える可能性があります。

リラクゼーション目的の施設を開業する場合には、無資格でも開業が可能です。もみほぐし・カイロプラティック・アロマオイルマッサージ・リフレクソロジーはリラクゼーションに分類されます。

 

顧客から信頼される

国家資格を持っていると、顧客から信頼される可能性が高くなります。国家資格を取得するには、専門学校や大学で学び、更に難易度の高い試験に合格しなければなりません。

国家資格を持っている方は、十分な学習期間を経て一定水準以上の知識や技術を身につけています。通信教育や短期間の講習で学んだ方とは、大きな差があると考えて良いでしょう。

それだけに、国家資格を有している方は顧客からの信頼度も高いです。無資格者によるリラクゼーションマッサージで事故が発生したというニュースもよく聞くため、顧客も施術者の持つ資格に注目しています。

 

マッサージ関係の資格を取得する方法

マッサージ関係の資格を取得する方法は以下になります。

  • 専門学校・大学でマッサージを勉強し国家試験を受ける
  • 働きながら通信講座でマッサージ資格の勉強をする
  • 独学で資格の勉強をする

以下の方法を詳しく解説していきます。

 

専門学校・大学でマッサージを勉強し国家試験を受ける

マッサージ関係の資格を取得したい場合、専門学校・大学を卒業し国家試験を受けるのが一番スムーズな方法です。

あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師・鍼灸師になるには、養成課程のある大学や専門学校を卒業し、国家試験を受ける必要があります。専門学校は、専門的な知識を集中的に学べ、4年制の大学よりも早く受験資格を得られるメリットがあります。

大学では資格以外の事柄も学べ、大学卒業の学歴を得られるメリットがあります。専門学校の方が学費をおさえられる点も考え、ご自身に合った進路を選びましょう。

 

働きながら通信講座でマッサージ資格の勉強をする

カイロプラクティック・リフレクソロジー・アロマセラピストになるための民間の資格のなかには、通信講座や短期のセミナーを利用して取得できるものがあります。通信講座なら働きながらでも学べ、専門学校・大学で学ぶよりも学費がおさえられます。

しかし、あん摩マッサージ指圧師の資格をもっていないと、治療を目的としたマッサージはできない点に注意する必要があります。

あん摩マッサージ指圧師の資格をもっている方が、カイロプラクティック・リフレクソロジー・アロマセラピストの資格を取得すると活動の幅が広がるので大変おすすめです。

 

独学で資格の勉強をする

国家資格は、独学のみでは受験資格を得られません。ただし民間の資格なら、独学で資格を取得できます。独学のメリットは学費が安くおさえられること、ご自身の都合の良い時間に勉強ができることです。

独学の手段としては、書籍・YouTubeなどを使って学ぶのが一般的です。しかしマッサージ関係の仕事が未経験である場合、独学で必要な知識を得るのは大変難しいです。独学を考えている方は、未経験・無資格でもOKな職場で研修を受けつつ学ぶのがおすすめです。

 

まとめ

マッサージの仕事に就くためには、国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」の資格を取得する必要があります。

柔道整復師は治療の一貫として手技を用いますが、鍼灸師のみの資格であったり、カイロプラクティック・リフレクソロジー・アロマセラピーの民間資格を取得しても、リラクゼーションを目的とした施術しかできず、治療を目的としたマッサージはおこなえません。

あん摩マッサージ指圧師の資格にプラスしてさまざまな資格を取得すると、顧客からの信頼を得られることに加え、ご自身の活動の幅も広がります。

マッサージ関係の仕事に就きたい方は、あん摩マッサージ指圧師の資格と、そのほかの資格で施術できる範囲を理解しましょう。

 

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この記事の監修者 Supervisor

社会保険労務士法人岡佳伸事務所 代表・特定社会保険労務士理学療法士・合同会社Relate・合同会社ALLMERU 代表社員 井上 直樹

医療福祉業界歴20年以上となり、病院・クリニック勤務、デイサービス立ち上げ、訪問リハビリテーション立ち上げなど複数従事。5年前に起業し、現在は福祉施設への顧問リハビリサービスやメディカルフィットネス運営支援、リハビリ職種向けのセミナー事業を行う傍ら、訪問マッサージ事業の運営を行う。2015年から一般の方を対象に、リハビリテーションコンサルタントというメディア運営も継続している。

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