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2021.07.08NSCA-CPT対策

NSCA対策 〜17章プライオメトリックトレーニング〜

こんにちは!

ASPトレーナースクールの犬塚です!

本日はNSCA17章から、プライオメトリックトレーニングについての問題です!

プライオメトリックはNSCAの試験でも頻繁に出題される分野であり、現場においても指導機会は十分にあります。

今回はプライオメトリックの仕組みや注意点について、一緒に学んでいきましょう!

 

問題:デプスジャンプを行う際、注意すべき最も重要なことはどれか?

a. 償却局面を最小限にする

b.伸張性局面の時間を最大化する

c.側方への移動を最小限にする

 

解答:a.償却局面を最小限にする

 

いかがでしたでしょうか?

まずは、プライオメトリックについて解説していきますので、一緒に学んでいきましょう!

 

プライオメトリックとは?

プライオメトリックは、カウンタームーブメント(反動動作)を用いた素早く力強い動作のことで、例としてはジャンプ動作などが挙げられます。

プライオメトリックは予備伸張と呼ばれる伸張性筋活動と、その直後の短縮性筋活動から成り立っており、そのパフォーマンスは伸張ー短縮サイクル(SSC:ストレッチショートニングサイクル)を適切に行えているかに依存します。

 

伸張ー短縮サイクル

・力学的モデル

プライオメトリックは伸張性筋活動と直後の短縮性筋活動で成り立っていますが、その際に力学的には何が起こっているのかについて解説していきます。

【例;ジャンプ動作】

ジャンプにおいては、最初に軽くかがむ動作が入りますが、この時、大殿筋や大腿四頭筋といった筋肉は急激に伸ばされることになります。

この時、筋線維は勿論、両端の腱や筋膜も引き伸ばされて、弾性エネルギーが貯蔵されます。

この状態を例えるなら、ゴムを引っ張ったような状態です。

ゴムを引っ張っている時は伸びますが、ゴム自体は元に戻ろうとする力を蓄えている状態であり、これの力が弾性エネルギーとなります。

そして、直後の短縮性筋活動で筋や腱は元の形に戻るわけですが、その際に貯蔵された弾性エネルギーも放出され、ただ筋活動を行う時よりも大きな力が発揮されます。

先の例で例えるなら、引っ張っているゴムから手を話すとゴムが勢い良く戻るイメージですね。

上記のように、弾性エネルギーによる力の貯蔵、放出の観点から説明したのが力学的モデルとなります。

また、腱は筋肉と直列に繋がっているので直列弾性要素(SEC)、筋膜などは筋と並列に並んでいるので並列弾性要素(PEC)と分類されるので、覚えておきましょう。

 

・神経生理学的モデル

プライオメトリックの神経学的モデルにおいては、12章でも習う伸張反射が大きく関与します。

①最初の急激な伸張性筋活動で筋紡錘が反応します

②筋紡錘から脊髄に「筋が伸張している」という情報が伝達されます

③脊髄より筋収縮の司令が筋肉に出され、短縮性筋活動へと繋がります

上記の反射により、主動筋の活動が増大し、強い力発揮を可能とします。

ポイントとしては、筋紡錘は筋の伸張の速さを感知するので、素早い伸張性筋活動を行う必要があります。

その為、伸張性筋活動の時間が長かったり、伸張動作の範囲が大きすぎると伸張反射のもつ増強作用は働かないので注意が必要です。

 

 

3つの局面

これまで説明してきた通り、伸張ー短縮サイクルは3つの局面に分けることが出来ます。

①伸張性局面

その後の爆発的な力発揮に向けて、主動筋の予備伸張を行う局面です。

この局面では、弾性エネルギーの貯蔵や筋紡錘への刺激などが起き、素早く行うことがポイントとなります。

 

②償却局面

伸張性局面と短縮性局面の間の時間であり、この僅かな時間の間に方向転換に備えて等尺性筋活動が起こります。

償却局面の時間は出来るだけ短くする必要があります。

償却局面が長くなると伸張反射が起きないばかりか、伸張局面で貯蔵した弾性エネルギーが熱として散逸してしまい、筋活動の増大に繋げられなくなってしまうからです。

 

③短縮性局面

短縮性局面は、伸張性局面、償却局面で起きた現象に対する身体反応であり、ここで弾性エネルギーの放出や伸張反射も相まって大きな力が発揮されます。

 

プライオメトリックの効果

プライオメトリックトレーニングを行うことで得られる効果について挙げていきます。

プライオメトリックはアスリートのみが行っている印象がありますが、強度などに気をつけて行えば、一般の方でも多くのメリットを享受できます。

・スポーツパフォーマンスの向上

スポーツでは多くの反動動作が使われ、強い力を発揮できる選手ほど有利になります。プライオメトリックパワー発揮能力、筋力の向上をもたらし、パーフォーマンスの向上に繋げることが可能です。

・コーディネーション能力の向上

プライオメトリックを行うことで、関節をコントロールする能力や運動連鎖を高めることが出来ます。身体コントロール能力が向上することで、障害発生率も低下するという報告も出ています。

・骨密度増加

ジャンプ動作など、骨にも衝撃を与えることで骨密度が増加し、骨粗鬆症の予防にもなります。

 

デプスジャンプとは?

ボックスの上から床に飛び降り、着地と同時に飛び上がるプライオメトリックトレーニングの一種です。

関節、筋に強い負担がかかるため、プライオメトリックトレーニングの中でも高強度の種目として分類されています。

 

 

問題解説

今回の問題は、「最も注意すべき点は?」ということなので、「a.償却局面を最小限にする」が正解となります。

b.伸張性局面の時間を最大化する

⇒長くすると弾性エネルギーや伸張反射を活用できないので不正解です。

c.側方への移動を最小限にする

⇒デプスジャンプ自体、そもそも側方への移動が伴わないので不正解です。

 

如何でしょうか?

プライオメトリックトレーニングを取り入れていくことで、競技力向上は勿論、生活の質向上にも繋げることが出来ます。

感覚だけでの指導にならないよう、仕組みを理解した上で提供できるようにしていきましょう!

また、NSCAのテストでもよく問われる分野ですので、仕組みや注意点、種目に関しては十分に把握した上で試験に臨みましょう!

それでは次回の投稿もお楽しみに!

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