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2024.04.23コラム

アスレティックトレーナーになるには?基礎知識と役割・働く場所を紹介

アスレティックトレーナーという職業に興味があり、詳しい情報を知りたいと考えている方は多いのではないでしょうか。アスレティックトレーナーは、医療も含めたスポーツ現場の多岐に渡って活動するトレーナーです。

アスレティックトレーナーは、スポーツジムなどでトレーニングの指導をするトレーナーよりも、医療機関との連携や、スポーツ現場での傷害対応をすることが多いです。そのため、より医学の専門知識が求められます。

この記事で紹介するのは、アスレティックトレーナーに関する基礎知識・役割・働く場所です。アスレティックトレーナーになるための方法も記載しているので、スポーツ関連の仕事に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

 

アスレティックトレーナーとは?

ここでは、アスレティックトレーナーとはどのような職業なのか、また一般的なスポーツトレーナーとはどう違うのかを解説します。

 

アスレティックトレーナーはとくに医療の専門知識を求められる

アスレティックトレーナーは、スポーツ医学・解剖学・スポーツ外傷・アスレティックリハビリテーション・救急処置・スポーツと栄養など、医療面にも幅広い知識を求められるスポーツトレーナーです。

最近ではプロスポーツ選手・アスリートに、専属のアスレティックトレーナーが付くことが多くなっています。大学や高校生などのチームに、アスレティックトレーナーが帯同していることも珍しくありません。

おもに、スポーツ選手・アスリートの健康管理・ケガの予防・リハビリなどのサポートをおこないます。これらは傷害発生時の応急対応がメインであり、基本的には医療機関と連携して対応します。

アスレティックトレーナーは、スポーツ選手・アスリートが安全かつ良好なコンディションで試合・大会に臨むための重要な役割を担っています。

 

アスレティックトレーナーとスポーツトレーナーの違い

スポーツトレーナーとは、スポーツ選手に関わるトレーナーの総称です。スポーツトレーナーは、メディカルトレーナー・フィットネストレーナー・コンディショニングトレーナー・ストレングストレーナーなど、複数の種類に分類されます。

アスレティックトレーナーはスポーツトレーナーの種類のひとつであり、医療も含めたスポーツ現場の多岐に渡って活動するトレーナーと理解すれば良いでしょう。

 

アスレティックトレーナーの役割・仕事内容

アスレティックトレーナーのおもな役割は次の6つです。

  1. スポーツ選手のケガの予防・応急処置
  2. スポーツ選手のリハビリのサポート
  3. スポーツ選手の身体の検査・評価
  4. スポーツ選手の身体作り
  5. スタッフへの指導をおこなう
  6. さまざまな施設でリハビリ・トレーニング指導をおこなう

以下では、それぞれ役割について詳しく解説します。

 

1.スポーツ選手のケガの予防・応急処置

アスレティックトレーナーは、スポーツ選手・アスリートのケガの予防やケガをしたときの応急処置をおこないます。

アスレティックトレーナーは、常に選手の身体の状態を把握し、適切な指導・処置を実施します。

気候や選手の体調を考慮して、コーチや監督と連携して練習メニューを組み立て、ケガのリスクをおさえるのもアスレティックトレーナーの仕事です。そのほかにも、テーピング・サポーターの装着、熱中症の予防もおこないます。

 

2.スポーツ選手のリハビリのサポート

スポーツ選手がケガをしてしまった場合、アスレティックトレーナーは選手が復帰するためのアスレティックリハビリテーションをおこないます。

アスレティックリハビリテーションとは、ケガからの回復だけでなく、再発防止・パフォーマンスの向上も目的とするリハビリテーションです。ケガをした選手に対する心理的カウンセリングもアスレティックトレーナーの仕事です。

 

3.スポーツ選手の身体の検査・評価

アスレティックトレーナーは、日頃からスポーツ選手・アスリートの身体の検査・評価をおこないます。

検査・評価とは、「選手がケガをしていないか」「ケガをしやすい状態になっていないか」「現在おこなっているトレーニングから効果を得られているのか」確認するために、筋肉や関節などのチェックをすることです。

選手の身体を検査・評価することで身体の状態がわかり、最適なトレーニングやケアプランが策定しやすくなります。そのときの選手にとって適切なトレーニングは、ケガの予防にもつながるでしょう。

 

4.スポーツ選手の身体作り

スポーツ選手のケガ・病気を防ぐために身体作りをするのもアスレティックトレーナーの仕事です。トレーニング後のメディカルチェックはもちろん、選手の食事や生活習慣、水分補給の管理までおこないます。

アスレティックトレーナーには、選手が飲む薬にドーピング薬物が含まれていないかをチェックする役割もあります。アスレティックトレーナーは、生活からトレーニング、大会や試合当日にかけて、選手にとってベストなコンディションを作り上げなければなりません。

 

5.スタッフへの教育をおこなう

スポーツ選手本人だけでなく、チームスタッフ・コーチ・監督などに、選手の身体の状態を報告するのもアスレティックトレーナーの役割です。ケガをしている際には、医師との連携も必要となるでしょう。

「ケガをしにくい練習メニュー」「疲労が溜まりにくい練習メニュー」など、選手に必要な練習メニューのアドバイスをし、コーチ・スタッフと共に最善のメニューを組み立てます。

 

6.さまざまな施設でリハビリ・トレーニング指導をおこなう

アスレティックトレーナーは、必ずしもスポーツ選手を対象に活動をおこなっているわけではありません。整形外科・リハビリテーション施設・福祉施設・接骨院・鍼灸院といったさまざまな施設でも、多くのアスレティックトレーナーが活躍しています。

各施設でアスレティックトレーナーが担う役割は、幅広い年齢の方を対象にしたトレーニング指導、体力や筋力の測定、リハビリテーション方法の提案です。

 

アスレティックトレーナーの働き方

 

アスレティックトレーナーのおもな働き方は以下になります。

  • スポーツ選手・チームとの契約
  • スポーツ施設
  • 学校・福祉施設・医療機関

以下では、それぞれの働き方について詳しく説明します。

 

スポーツ選手・チームと契約して働く

プロのスポーツチーム・トップアスリートをはじめ、実業団やアマチュアのスポーツチームは、アスレティックトレーナーをスタッフとして雇用または専属契約している場合が多いです。

しかし、プロスポーツチームやトップアスリートの数は限られており、実際に専属契約やフルタイムで雇用されるトレーナーは少数です。豊富な経験や実績が認められないと難しいでしょう。

多くのアスレティックトレーナーは、複数のチームをかけもちしたり大会に帯同したりして、選手のケガの予防・ケア・応急処理・パフォーマンスの向上に努めています。

 

スポーツ施設で働く

多くのアスレティックトレーナーは、スポーツジム・フィットネスジム・パーソナルジムなどのスポーツ施設で働いています。

スポーツ施設での仕事内容は、フィットネス愛好者やアマチュア選手を対象とした、トレーニング指導・ケガの予防です。

アスレティックトレーナーとしての知識があれば、顧客に合った適切なトレーニング方法や栄養指導などがおこなえます。十分に経験・実績を積んだら、パーソナルジムを開業する道を選ぶのも良いでしょう。

 

学校・福祉施設・医療機関で働く

アスレティックトレーナーの需要は、学校・福祉施設・医療施設にも需要があります。病院が運営するアスレティックリハビリセンターで活躍しているトレーナーもいます。

アスレティックトレーナーでありながら、理学療法士・柔道整復師、鍼灸師などの国家資格を持っており、整形外科・整体院・鍼灸院で幅広く活動する例も珍しくありません。

 

アスレティックトレーナーになるには

アスレティックトレーナーになるための法律的な資格はありません。しかし、プロスポーツチームやプロアスリートと契約する場合には、「日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)」が必要となるでしょう。

プロスポーツチームやプロアスリートとの契約をしない場合でも、取得過程における知識・技術の習得や信用面などから、資格の取得は積極的に行うべきです。

以下では、アスレティックトレーナーになるためにすべきことを紹介しています。

 

独学・専門学校・大学で資格の勉強をする

アスレティックトレーナーになるためには、公認資格である「日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)」の取得を目指しましょう。受験のためには、まず受験資格を獲得する必要があります。

JSPO-ATの受験資格を得るには、「スポーツ指導者養成講習会免除適応コース承認校」を卒業しなければなりません。承認校を卒業していない場合には、日本体育協会の養成講習会を受講する方法もあります。

独学でアスレティックトレーナーになりたいと考えている方は、スポーツトレーナーとして経験を積み、養成講習会に参加してJSPO-ATの受験資格を獲得しましょう。トレーナーとしての基礎知識をつけるために、トレーナー養成スクールを活用するのもおすすめです。

ただし、養成講習会の受講人数には限りがあります。受験資格の取得を考えた場合、専門学校・大学を卒業するのが一般的です。

 

アスレティックトレーナーの公認資格試験を受ける

「日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)」のほかにも、アスレティックトレーナーとして活躍するために有効な資格は複数あります。ご自身が活躍したいフィールドを思い描きながら、必要だと思われる資格を取得しましょう。

以下では、JSPO-ATをはじめとしたアスレティックトレーナーとしての活躍に役立つ資格を3つ紹介します。

 

資格名 受験資格(資格要件) 活躍の場
JSPO-AT
  • 日本スポーツ協会認定の大学・専門学校を卒業した者(講習・試験の一部が免除される)
  • 協会の推薦・選考基準を満たす者(受験有効期間内に講習の全工程に参加しなければならない)
スポーツの現場
JATAC-ATC
  • 柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・理学療法士・作業療法士などの国家資格を所持し、JASTACの講習会および通信教育口座で単位を取得した者
  • 専門学校・大学・大学院でスポーツ系学科のカリキュラムを修了し、協会が認定する臨床医学系専門学科の単位・スポーツ科学分野の単位を取得した者
スポーツの現場
病院・福祉施設
NATA-BOC公認ATC
  • アスレティックトレーニング協会認定委員会が定める大学の学士称号を取得し、所定のインターンシップの単位を取得した者
海外

JSPO-ATとNATA-BOC公認ATCは、受験資格を得たあとに資格試験に合格する必要があります。一方でJATAC-ATCは、資格要件を満たせば正会員として登録でき「認定アスレティック・トレーナー:JATAC-ATC」の称号使用が許可されます。

 

まとめ

アスレティックトレーナーとは、より高い医療的な知識をもって運動・スポーツ現場で活動するトレーナーです。スポーツ選手をはじめとしたさまざまな方を対象に、ケガや故障の防止・応急処置・リハビリのサポート・ケガをしにくい身体作りなどの指導をおこなうのが仕事です。

アスレティックトレーナーの働く場所には、スポーツチームやアスリートとの契約・スポーツ施設・福祉施設・医療施設などがあります。

アスレティックトレーナーになるための法律的な資格はありませんが、実際に活動するためにはJSPO-AT・JATAC-ATC・NATA-BOC公認ATCなどが必要となるでしょう。

アスレティックトレーナーを目指すには「スポーツ関連の専門学校・大学を卒業する」「トレーナーとして働きながら、独学またはトレーナー養成スクールで学ぶ」といった方法があります。ご自身に合った方法で、アスレティックトレーナーを目指すと良いでしょう。

 

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この記事の監修者 Supervisor

日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー 田子 政昌

自身のメインスポーツである陸上競技選手をはじめ,運動初心者からアスリート,子どもから大人まで幅広い人を対象に運動指導を行っているアスレティックトレーナー。スポーツ系専門学校を卒業後,体育大学在学中にアスレティックトレーナー資格を取得。卒業後はパーソナルトレーニングジム,ランニング商材の販売などの業態を経験ののち,神奈川県内で総合型の陸上クラブチーム「ワールウインドAC」を経営するかたわら,同県大和市にパーソナルトレーニングジムVITALIZE(バイタライズ)を開業し一般の方にも安全で正しい運動指導を実施している。日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーのほか、NSCA公認パーソナルトレーナー、JATI‐AATIなど国内外の指導資格を多数保有。一般社団法人ワールウインドAC代表理事

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